魔法少女リリカルなのは〜少年は何を思う?〜

□プレリュード
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不幸少年は始めから何かに導かれていたのかも知れない。


廻り続ける輪廻《リンカーネイション》の中で。


不幸とは少し違うのかも知れない。


不運に近いのかも知れない。


でもそれでも、不運ではないのもまた明白。


そんな不運な彼の最後で始まりの日のお話。




いつも通りに朝起きて。

いつも通りにニュース見ながら朝食を摂って。

いつも事件て何でこんなに多いんだろうって思いながら支度して。

いつも通りに行って来ますの挨拶は、仏壇で済ませ。

通学路を通っていたつもりだった。

どこからか悲しげな声が聞こえた。

「“お母さんどこ?”」

と。

間違いもなく普通の人間だったら気付かない声。

そう。

横断歩道の近くの道路の脇で鳴き声を上げる真っ白な毛並みをした子猫だった。

信号は青になったと思ってみれば。

信号無視してこちらに来る1台のトラック。

そこに飛び出していくのはさっきの子猫。

そして反射的に俺は子猫を抱きかかえて、立ち上がったはいいものの

いつもの貧血によってしゃがみこんでしまった。

きっと今の俺は顔面蒼白で脂汗を浮かべているだろう。

その間にもトラックは近づいてきてついに。

思いっきり俺を頭から跳ねた。

反射的に俺は抱いていた猫に力を込めてしまった。

込めすぎたかな?痛かったらごめんねと思いながら数メートル先に、

堕ちた。

そういえば人って急にぶつかられるとその瞬間は痛いけど、後からパニックに陥って、

周りが騒ごうとも、あんま痛みを感じないんだよね。

まさに今だ。

うん。ちょっとカオスじゃないかな多分。

でも、俺って前にも体験したんだよな。何時だったかな?

俺の腕の中にいた猫は鳴き続けているが、もうあまり聞こえていない。

助けれて良かった呟くと俺の目の前は闇の中に落ちていった。

その瞬間に一瞬その時がフラッシュバックし、何時だったかを思い出した。

小学2年生だった時も、トラックじゃないけど同じクラスの男子に

ぶつかられて、額の皮がめくれたんだよな。

そんときも周りは大騒ぎしてたけど俺だけ実感がなかったんだよね。

なんてまどろむ意識の中ふと考えていた。

このまま俺は逝くのだろうか?

地獄か天国どちらに逝くのだろう?

六道輪廻の前にでも佇んでいるのだろうか?

はっきり言ってどうでもいい。

だって、地獄に行くのが運命だろうと今は思う。

でも思うのは、次人間で生きれるのなら父さんと母さんに会いたい。

と少しばかり欲をさらけ出してしまった。

そして、ついに俺の意識は闇の中に埋もれていった。

何を、理解をしようとも思わなかった。

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