青き月の光よー1
□プロローグ
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俺は、月の光を見るのが好きである。
特に海に照らされて、青く光る月が好きだ。
ガキの頃は、月そのものが発光しているんだって信じていた。
そんな俺の妄想を、兄のような存在の、深い青の瞳を持った年離れた幼馴染は、馬鹿にせずただ頷いてくれた。
俺も同じ思いを抱いていたから、分かるよ。ただ、俺の場合は真っ白な光の時だけどね。
っと。
幼馴染も俺も、自分達の好みの月の色を見ると、なぜか懐かしい心地になる。
どうしてか分からない。
ただ、月をじっくりと見た時の見る夢は決まって同じ。
幾つ年をとっても、同い年くらいの女の子が、俺に謝っている夢。
「ごめんなさい。私は、貴方への罪を償うために月の青き光で貴方を見守り続けます。本当にごめんなさい」
と謝り続ける夢。
私はあの時の罪を償うために、2回転生すると契約した。
1回転生するだけでも危険なのに、2回することがどれだけ危険かは重々承知だ。
しかし、仕組まれていたとはいえ、実行してしまったのは私で、
赦されるとは思ってないけど、彼にどうしても謝りたかった。
いつ彼に会えるか分からないけど、再び会えるその時まで、懺悔としてあの青い月の光を宿し続けるのだ。
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