コイノヤマイ

□カルテ4
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 携帯電話を確認したのは、昼の休憩の時だった。ディスプレイには「着信5件」と表示されている。

 履歴を確認すると、マンションの管理会社から4件。そして最後の1件はカプセルコーポからだった。

(ブルマさん……?)

 カプセルコーポからの着信が気になったが、とりあえず管理会社の方に電話をすることにした。

 着信に気付かなかった事を詫びると「ご無事で何よりでした」と管理会社の担当者は安堵の声を漏らした。連絡がつかなかったのが自分だけだった様で、心配を掛けてしまっていたようだ。

 申し訳ない気持ちでいっぱいになり、ただ平謝りするしかなかった。

 そして、電話の主な内容は今回の火災の説明と住人への対応であった。

 説明の方は、失火元は5階の角部屋で原因は現在消防の方で究明中ということしか告げられなかった。

 それから、今日の昼からマンション内への立ち入りは可能になっており、入室する際は十分気を付ける様にと注意された。

 メディカの部屋は失火元の丁度真下にあたる。

(酷いことになってるかも……)

 昨夜の消火作業の様子を思い出して、メディカは内心溜息を吐いた。

 最後に住人への対応として、担当者は早めに保険会社に連絡するように言われ、保険会社の担当者が来るまで部屋は片付けないようにとも言われた。

 メディカは初めての事態に、ただ黙って担当者の言う事を聞くしかなかった。
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