コイノヤマイ

□カルテ14
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 カフェでコーヒーを飲みながら、トランクスはさっきメディカから言われた言葉を思い出していた。

 自分のこの青い瞳を「素敵」だと言われたことがとても嬉しくもあり、くすぐったかった。

 だが、それ以上に、家族を大切だと思っていることを見抜かれたことに驚き、動揺した。

 24歳にもなって、家族はかけがえのない大切なもの……。

 普通なら気付くこともなく、引かれてもおかしくないところだが、メディカはそれをとても好意的に受け止めている様で、そこが「素敵」なことだと言ってくれたことが素直に嬉しかった。

(ご家族と居る時のトランクスさん、すごく優しい目をされてるので、ご家族を大切に思ってらっしゃるんだなって、そう思ったんです)

 と言って微笑んだ後、すぐに

(あっ、すみません! 私の勝手な思い込みなので……。違ってたらゴメンナサイ!)

 と、慌てて恥ずかしそうにしていたメディカに、トランクスの胸は熱くなった。

 目の前に座り、ブラの話しを聞きながら相槌を打ったり笑ったりと楽しそうにしているメディカを見つめる。

 そんな彼女とふと目が合い微笑み返されると、顔が紅潮していくのが分かり、トランクスはそれを誤魔化す様にコーヒーへと手を伸ばすのだった。

 そんな、あまりにも分かりやすい兄の表情や動きが可笑しくて、ブラは心の中でニマニマと笑いが止まらなかった。

 ブラは、自分が密かに立てた計画が成功したのだと思うと、自画自賛し、レモンが浮かぶアイスティーに口をつけるのだった。
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