コイノヤマイ

□それぞれの日常B
1ページ/3ページ

カプセルコーポの最上階にある重力室では、べジータがトレーニングを行っていた。

ブルマが造ったこの重力室で、べジータは毎日のようにトレーニングに明け暮れている。

それは自分の限界を超える為、最大のライバルである悟空を超える為のものであった。

あの戦い以来、この地球という星は平和に回り続けている。

そのせいで、息子のトランクスや悟空の息子の悟天は修行を疎かにし、完全に平和ボケしてしまっている。

トランクスを相手にトレーニングをしても、べジータ自身の鍛錬には全くならないのが現状だ。

重力室を出て、タオルで汗を拭いていると

「パパー!お昼ご飯一緒に食べましょー!!」

と娘であるブラの声が聞こえた。

階段を下りると、愛娘の姿が見え、その姿に口元が緩みそうになるのを、べジータは堪えた。

娘というのは可愛いものだ。

ブラが入院していたあの期間はぽっかりと穴が空いた様で、何と寂しかったことか。

口が裂けても、そんな事は誰にも言えず、その寂しさを埋めるようにトレーニングに精を出した。

しかし、寂しさを紛らわすことなど出来ず、結局ブラの見舞いに2日に1度訪れていたことは決して知られたくない事実だ。

「もう、パパ!シャワーしてから来てよね!」

そう言う膨れた顔さえも、可愛くて仕方がない。

「分かっている。先に行って食べていろ。」

気持ちとは裏腹にそっけなく言うと、2人揃って生活スペースとなっている2階へと下りた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ