恋に唄えば2

□第三の男
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 目を薄く開き、一度視線を彷徨わせてから、ハッと目を開いた。

 どうやら、いつの間にか眠っていたらしい。

 しまった……。

 俺はテーブルに突っ伏したまま、広げたままになっている巻物へと目を向けた。

 ――時を司る「終わりと始まりの書」

 これまでの歴史が記された巻物だ。

 広げられたそれには、父さんと悟空さん、悟飯さん、仲間たち。

 そして、俺。

 セルの姿も映し出されている。

 懐かしいな……。

 俺は上体を起こすと、巻物の中のセルゲームの激闘と、もう会うことはないだろう仲間たちに思いを馳せた。

 会いたいな……。

 ぽつりと思ったが、すぐに首を横に振った。

 そんなことをすれば、また歴史を変えてしまうことになるかもしれない。

 そうなれば……また罪を重ねてしまうことになる。

 ――時間の操作は重罪。

 そのことを知ったのは、時の界王神様から忠告を受けるために、この異世界に呼ばれた時だった。

 知らなかったとはいえ、俺はタイムマシーンを使うことで罪を犯した。

 だから、その罪を償うため、このコントン都――時の流れが集まるこの世界で、タイムパトロールとして働くことになったんだ。

 タイムパトロールになった経緯を思い出しながら

「これでもないか……」

 小さく溜息を吐いて、俺は広げた巻物を巻き直すと、また別の巻物をテーブルに広げた。

 そこに映る歴史を見ながら、この歴史に改変が起きていないか目を光らせる。

 改変があれば、それを正しい歴史に戻すため修正する。

 それが俺たち、タイムパトロールの仕事だった。
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