コイノヤマイ
□カルテ8
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デスクに積まれた書類の山が、やっと半分になろうかという頃、胸ポケットに入れていた携帯電話が振動した。
液晶を見ると『悟天』という文字が、表示されている。
「何か用か?」
手にした資料を眺めながら電話に出ると
『トランクス、久しぶり!』
と、相変わらず呑気な親友の声が聞こえてきた。
『もしかして、まだ仕事中だった?』
「そうだよ。悪いけど、用が無いなら切るぞ」
突き放す様に言うと
『あー、待って待って!!』
と、慌てる悟天の声がそのまま続けた。
『実はさー、明日コンパなんだけど1人足りないんだよねー。でさ、トランクス来れないかなーと思って! トランクスが来てくれたら女の子たち喜ぶと思うんだよねー』
「悪いな、無理だ」
即、断るトランクスに
『えーっ!? 何でだよ、土曜だから仕事休みだろ?』
悟天が非難めいた声をあげると
「明日は取引先主催のパーティがあるんだよ。だから無理だ」
『チェッ。何だよ、久しぶりにトランクスに会えると思ったのにぃ』
口を尖らしているだろう、親友の顔を想像しながら
「会おうと思えば、いつでも会えるだろう」
と、手元の資料を捲りながら、事も無げに言うと
『まぁ、そうだけどさ……』
言葉を濁し、一瞬黙った悟天だったが、次に
『ほら……トランクスもさ、そろそろ彼女つくった方がいいんじゃないかと思ってさ……』
更に言葉を濁しながら、伺う様に話す悟天に
「……もしかして、母さんに頼まれたのか?」
トランクスは資料から目を離すと、顔をしかめた。