コイノヤマイ

□カルテ8
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『えっ!? いや、そうじゃないけど……!!』

 電話の向こうで動揺している悟天に同情するように

「悪いな悟天。母さんには俺から言っておくから……」

 母の仕掛けた迷惑を、息子としてフォローしなければならないのはよくあることである。が、

『うん……』

 と、スッキリしない様子の悟天に

「何だよ」

 と、言葉を投げると

『あのさ、トランクスって女の子に興味ないの? あの子カワイイなとか、デートしたいなとか、思わないわけ?』

 伺う様に話す悟天に、トランクスは小さく息を吐いた。

「興味がないわけじゃないさ。ただ、今はそんな気になれないだけだよ」

 と、うんざりした様に答えると

『まさか……男に興味があるとかじゃないよね……?』

 恐る恐る尋ねてくるその声に

「ち、違うに決まってるだろ! 彼女くらい、つくろうと思えばすぐ出来るさ」

 と、全力否定する。

 すると『そっか。そうだよねー』

 と、言う安心した様な声が聞こえ、続けて

『じゃあ、俺は明日のコンパでカワイイ女の子を見つけてくるよ! トランクスがいない方がライバルが減って有利だしね』

 親友の弾んだ声に

「はい、はい。ま、頑張れよ」

 と、トランクスは適当なエールを送るのだった。

『ありがと! あ、仕事中に悪かったねー。また彼女出来たら紹介するよ。じゃあ!』

 プツリと切れた電話をしばらく眺めながら、虚しさを感じる自分がいた。

 読みかけの資料を置くと、小さく息を吐き

「帰るか……」

 と、トランクスは呟くのだった。
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