コイノヤマイ

□カルテ16
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トランクスが赤く染まった顔のまま、再び迎えのエアカーが待つ玄関へと向かっていると、背後から

「トランクスぅ。」

と言う、母のいやに上機嫌な声が聞こえて来た。

その声にビクリとし、ゆっくり振り返ると、洗面所からニヤニヤとした顔を出す母の姿がそこにあった。

「か、母さん・・・!」

その顔に、トランクスはもはや嫌な予感しかしなかった。
高鳴っていた鼓動が、ギクリと違う高鳴りへと変わっていく。

「ふふーん。見たわよー、トランクスぅ。アンタ、さっきのまるで新婚さんみたいだったけどー?」

ニヤニヤと更に笑顔を深くするブルマに

「なっ・・・!し、新婚・・・って!何言ってるんだよ!!」

「新婚」という言葉に、トランクスは顔を更に赤く染めると

「ふーん。そー。やっとアンタにも春がきたのねー。」

「は、春って・・・。」

顔を真っ赤に染め、思いっ切り動揺している息子に

「・・・アンタ、分かりやすいわねぇ。」

と、ブルマは少々呆れつつも

「まさか、メディカちゃんにねぇ・・・。ま、恋をするのはイイ事じゃない!しっかり楽しみなさいよ!母さん、応援するから!!」

と楽しそうに、いや、明らかに面白がっている顔を向けられ

「はは・・・。じゃ、じゃあ、行って来るよ・・・。」

もはや否定することも、はぐらかすことも手遅れだと思ったトランクスは、乾いた笑みを浮かべながら、再びのろのろと歩き出すのだった。

そして、そんな息子の後ろ姿を、ブルマは安心した様に、微笑み見送るのだった。
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