コイノヤマイ

□カルテ16
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西の都郊外に建てられた、カプセルコーポレーションの新しい工場が稼働し始めて半年が経っていた。

将来は宇宙船を生産することも考えられているこの場所は、現在は主に飛行機などの大型の製品を生産してる。

「キングキャッスルから受注を受けた国王専用機ですが、何とか期限までには間に合いそうです。」

トランクスは隣を歩く工場長の報告を受けながら、工場内を歩いていた。

「そうか。なるべく期限より早く納品して、他社からの依頼の物にすぐ移れるように頼むよ。」

「はい、分かりました。」

穏やかな笑顔と物腰の工場長は、カプセルコーポレーションに入社して30年のベテラン技術者で、この工場の工場長に任命したのはブルマだった。

創業者のブリーフ博士とその娘のブルマからの信頼は厚く、技術者としての腕も確かだ。
そんな工場長をトランクスも信頼し、技術者としても尊敬している。

「社長。お忙しくなられて、機械に触る時間もないんじゃないですか?」

工場長に尋ねられ

「あぁ、そうだな・・・。造りかけの物はあるんだけど、なかなか完成しそうにないよ。」

「そうですか。出来あがったら、見せて頂けませんか。社長のお造りになられる物は、やはりセンスがいいですから。私のような年寄りには刺激になるんですよ。」

「工場長にそう言ってもらえると嬉しいよ。じゃあ、なるべく早く完成させなきゃな。」

そんな話しをしていると、工場の外へと差し掛かっていた。

出来たばかりの工場の建屋は白で統一されている。

ギラギラと照りつける太陽の光がそれに反射し、外へと出たトランクスはその眩しさに目を細めるのだった。
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