コイノヤマイ

□カルテ19
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説明会には出たものの、自分の求めていた新たな住まいに関するものは何も得られず、メディカはトボトボとカプセルコーポへ向かって歩いていた。

金銭面の補償はもちろんありがたいのだが、それよりも条件を満たす物件を提供してもらえることを期待していたのだが・・・。

(はぁぁぁ。そんなに旨くいかないか・・・。)

と、長く深い溜息を漏らし、空に浮かぶ月を見上げるのだった。




「ただいま帰りました。」

何とか笑顔を作りリビングに顔を出すと、べジータを除く3人がソファに座り寛いでいた。

「おかえり、メディカちゃん!説明会どうだった?」

ブルマの問いに

「はい・・・。色々補償をしてくれることになって、何とか丸く治まりました。」

メディカは眉を寄せ笑顔を作った。

「そりゃそうよ!いきなり出て行けって言われて何の補償もないんじゃ、皆納得なんかする筈ないもの!」

ブルマは腰に手を当て、顔を顰めている。

「そうですね・・・。取り敢えず話しが纏まってよかったです。」

「そうね。これで一区切りついて、スッキリしたんじゃない?」

「はい・・・。」

と、複雑な笑みを浮かべると

「お姉ちゃん、ずっとウチに居てね!そうだ、今のお部屋の模様替えするなら、ブラもお手伝いするわ!」

満面の笑みを浮かべるブラにメディカはギクリとした。

既に新たな部屋探しを行っていることが、少女への裏切り行為の様に思えた。

表情を固くするメディカを、トランクスは複雑な思いで見つめるのだった。
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