コイノヤマイ

□カルテ25
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「お祭り、楽しかったな・・・。」

メディカは、悟天からもらったクマのぬいぐるみを見つめ微笑んだ。

手のひらサイズのそのぬいぐるみは、お世辞にもカワイイとは言えないが、愛嬌があり所謂「ブサカワイイ」という言葉がピッタリ当てはまる。

そして、その横に置かれた赤に黄色や青などの筋模様が入ったヨーヨーを見ると、先程まで賑わっていた祭りのことが思い出され、静寂に包まれた1人きりの部屋が一段と寂しく思えるのだった。

「そろそろ寝なきゃね・・・。明日も仕事だし。」

いつも家に帰れば1人で、誰と話すでもなく、また朝を迎える。そんな生活がもう6年になる。

カプセルコーポで暮らし始め、他人とはいえ、帰れば誰かが迎えてくれるこの環境に最初は戸惑いもしたが、今はホッとしている自分がいる。

家族や家庭というものが与えてくれる癒しを身を以て感じると、自分はそれに飢えているのだなと苦笑いした。

そして、仕事以外で今夜の様に大勢の人と話したのはいつ以来だろうか・・・。と記憶を遡るが、残念ながら思い当たる記憶には辿りつかなかった。

初対面の人々に囲まれ、初めは緊張したが、皆気さくないい人たちばかりだった。

ブルマの仲間ということだったが、そのあまりに広い交友関係にはただ驚かされた。

あのミスターサタンがパンの祖父であること、サタンの傍に居たブウという愛嬌のある友人、緑色の肌をした悟飯の師匠に神様(?)、元気な老人・・・。

メディカはブルマの幅広い人間関係と、その仲間たちとの不思議な繋がりに、彼女の人としての大きさや深さを改めて感じ、ただ感心するのだった。
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