恋に唄えば2
□第三の男
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「えっ?! ……わ、分かりました……」
俺たちは時の界王神様の指示で、倒れている二人をあるところへ送り届けることになった。
そのあるところ……。
それは、俺がタイムマシンに乗って向かった世界。
父さんに悟空さん、そして悟飯さん。
仲間たちが生きている、あの並行世界だった。
その世界に介入することが出来ない俺は、パートナーに二人を託すと、そのまま帰還しようとした……のだが
父さんも母さんも……元気かな……。
「一目見たい」そんな衝動に駆られ、俺は気配を消すと、少し離れた家の陰から様子を窺うことにした。
二人を抱えたパートナーが庭に降り立つと、パートナーの気を察知した父さんが家の中から飛び出して来た。
その後に母さんも続けてやって来ると、少女を見るなり安心した表情を浮かべている。
二人とも元気そうだな……。
笑みを零し、遠目に二人を眺めていると
「トランクスさん……?」
突然、後ろから名前を呼ばれてビクッとした。
しまった……! 見つかった!!
そう思い、恐る恐る後ろを振り返ると、そこには見たことのない少女が立っていた。
肩まで伸びた栗色の髪。
驚いたように俺を見つめる、大きな茶色の瞳。
……誰だ……?
驚いてその少女を見つめていると、じっと俺を見つめてくる少女は
「トランクスさん……!」
もう一度俺の名前を呼ぶと、嬉しそうな笑顔を浮かべた。
俺のことを知っている……?
一体何で……。
俺は見覚えのない少女の笑顔に戸惑いながらも、キラキラと輝く彼女のその笑顔に胸が高鳴った。