恋に唄えば

□未知との遭遇
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 腕の痛みを耐えるのに目を閉じていたら、瞼の裏が急に明るくなった。

 目を開けると、眩しさからか視界はぼやけていたけど、とにかくそこは白く開けた場所で、空がやけに近かった。

 どこ……ここ?

 場面展開早過ぎでしょ……。

 ……やっぱり梨子の言う通り、これ「夢」なのか?

 腕の痛みのせいで頭も働かず、ほとんど投げやりにそんなことを思っていると、腕を組んだ緑色の……人……? が視界に入った。

 !?

 ハリウッドの特殊メイクか?!

 とても人間とは思えない、新たな人物の登場に目を見開いていると

「皆さん!」

 と、遠くの方からまた声がした。

 そっちに視線を向けると、そこにも明らかに人間離れした二人が居て、私は「やっぱりこれは夢だ……!」と、自分を納得させるように心の中で呟いた。

 だって「夢」じゃなきゃ、こんな未知との遭遇みたいな事起きる筈がない……!

 もうあれこれ考えても仕方ないと思った私は、観念してこの「夢」が覚めるまで付き合うことにした。

 とにかく、今は腕の怪我を治してくれるらしいこの人達に従っておこう……。

 そう思った私は、無様に抱えられたまま、様子を窺うことにした。



「よぉ! ピッコロ、デンデ、ポポ! 久し振りだな」

 明るい声が響くと

「来るのは構わんが、無駄だったな……」

 苦く押し殺したような声が聞こえてきた。

「ピッコロ、オメェ見てたんだろ?」

「見ていたなら、どんな奴だったか教えろ!」

 そう尋ねる二人に

「……分からん」

 と「ピッコロ」という名前らしい人? は苦い顔で答えた。
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