恋に唄えば

□疑惑
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 その鋭い視線にビクッとした。

 って言うか、自分が背負ってるモノのことすら忘れてて、それにビックリもした。

 まぁ、いつも背負ってるモノだから、あまり気にもしてなかったんだけど……。

 でも、質問されたことにはちゃんと答えないと何だか悪い方に転がりそうな気がして

「こ、これはギターです……」

 と、答えると

「ギター?」

 睨む顔は今度は訝しげな顔へと変わった。

 すると

「ギター……というのは、楽器のギターですか?」

 そう神様に聞かれ

「そ、そうです……」

 と答えると、神様は少し可笑しそうな顔をしてから

「ベジータさん、彼女の背中の物は楽器のようですよ」

 私を睨んでいる……べジータさん、という人に微笑んだ。

 それにしても……。

 このベジータさんと、えー……トランクスさん……だっけ? 

 名前もそうだけど、どう見ても外国の人だよねぇ? なのに、すごく日本語上手だなー。日本に住んで長いのかなー。

 なんて、そんなことを思ってると

「見せろ」

 射抜くような疑いの視線が向けられ、そのあまりの威圧感に身体が固くなった。

 その痛い視線を居心地悪く思いながら、背負っていたギターケースをしぶしぶ下ろして開けると、警戒するような素振りが視界の端に映った。

 警戒される理由が分からないけど、とりあえずギターを「どうぞ」と見せると

「どうやら、普通のギターのようですね」

 神様は小さく笑った。

 そして、べジータさんも納得したらしく、睨んでいた目元を少し緩めると、私は鋭い視線から解放された。
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