近すぎて
□解答
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【及川said】
1年生は、親睦を深めるためのイベントでキャンプがあるみたいで、今日のLHRは班決めをして出し物の計画を立てるらしい。
「4人班だって!どうする!?」
「どうするって…」
『さつきちゃん無理矢理連れてきてよく言うよ』
「いえ、私は麗さんと同じ班になれるならこれぐらいどうってことないです!」
柳の発言がすごく気になるところではあるけど、これで4人決定だよね!
『えー。僕及川と一緒は嫌だなー』
「私は麗さんと一緒ならどこでも!」
「麗、及川以外の男子を探そう」
え、みんな酷くない!?
この及川さんをのけ者にする気なの!?
「ザンネーン!もう班員の紙出してきたから」
『クソッ、こんなときに限って仕事が早い…!』
「及川サンと同じ班になれるとか幸せでしょ〜麗ちゃん!」
『テメエ!あれほどちゃん付けすんなっつっただろうが!なあ、殴っていい?マジ全力で殴っていいか?』
「俺も協力するぞ」
「わっ、私も!!麗さんのためなら!!」
「わあぁぁぁぁ!ごめんって麗!岩ちゃん!そしてなんで柳も殴ろうとするの!?」
俺ってかなりモテるはずなのに、なんでこの人たちはこんなに俺の扱いが雑なのかな…。
『ハァ…。それで?自由行動のコース決めんだよな。どうすんだ?』
「あ、私この縁結びの神社行きたいです麗さん!」
「縁結び?…あっ!…お、俺も」
えっ!?
岩ちゃんまで縁結びの神社に!?
「見ろよ麗、嫌な縁を切れるお守りがあるぞ」
『!そこ決定で』
「え、なになに?2人とも嫌な縁があるの?」
『「テメエに決まってんだろ及川!」』
「俺なの!?及川さん泣いちゃうよ!」
俺はそんなひどい子に育てた覚えはないよ!
『あとはここなんてどうだ?』
「あ、イイですね!あとそのお店はどうでしょう?」
「これはなんだ?」
『それはーー』
俺抜きで進んでいく話し合い。
俺がいなくなっても誰も気付かないんじゃないかと悲しくなったそのとき。
『及川。参加しないと全部こっちで決めるぞ』
ほら、そうやってフォローしてくれる。
だから俺は、麗が大好きなんだよ。
麗が告白されたり麗が告白されたり、なんやかんや1週間が過ぎてキャンプの日。
「ふんふーん、ふふふーん♪」
『…遠足行く小学生かっつーの。鼻歌うたうなよ』
「だって麗と旅行だよ!楽しみに決まってるじゃん」
『僕とじゃなくて学年で、だからな』
「わかってるよ〜」
3泊4日のキャンプで、2日目と3日目はホームステイみたいなことをする。
つまり、麗と寝泊りができる!
「馬鹿なこと考えてんならぶっ飛ばすぞボゲェ!」
『ぶっ飛ばすぞボゲェ!』
「ぶ、ぶっ飛ばすぞ、ぼ、ボゲェ」
「やめてよ岩ちゃん!麗!あと柳まで真似しなくていいから!」
みんな普段どおりすぎるでしょ!
俺は麗との旅行が楽しみで昨日なかなか寝られなかったんだからね!
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