一軒
□一目惚れ
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「…あ?なんか文句あっかよデブ。」
「う、うるせぇ!!お前みたいな奴池田さん呼んじまえばこっちのもんだ!!」
「そうだそうだ!!お前みたいなヒョロ男なんか池田さんがボコしちまうぞ!!」
「だったらその池田って奴呼んでこいよこちとら暇じゃねーのよ。」
のしっ
「…呼ばれて飛び出て池田ちゃーん。」
「…は?」
「…あ、これ雨宮高校の制服じゃーん。君なんて名前?雨宮の頭だよね。」
耳元で囁く空気読めないハスキー低音ボイス。
「いっ、池田さん!!こいつは雨宮高校の工藤理玖(クドウ リク)っすよ!!こいつが俺らの溜まり場で昼寝してたもんで!!」
「…ありがとう豚ちゃん…でも今何時だと思ってんのー?夜だよ夜。昼寝どころじゃないってー。」
「いや池田さん!重要なのそこじゃないっすよ!!俺らの溜まり場お菓子のゴミだらけっすよ!?しかも多分こいつ一人で!!」
「ありゃりゃ…でもこの子ゴミ袋持ってるし持ち帰るつもりだったんじゃないのー?」
「そうっすけど!!俺らの溜まり場はぁ!?」
「……え、俺らの溜まり場屋上じゃないの?」
「「「…え…?」」」
「……あの…どーでもいいんすけどそろそろ退いてくれません?重い…。」
「…あ、ごめんねー。」
俺より少し高めの身長、ワンサイズでかそうなセーター、おそらく染めたであろうグレーのマッシュ。…というか多分セットしてないから天然マッシュという方が近いかもしれない。
そんでもって気だるそうな三白眼。
…こいつ本当に強いの?
「…てか…あー…池田さん?アンタの名前は?俺だけ名乗るとか不公平じゃね?」
「なんだお前偉そうに!!」
「いーのいーの、ありがとうね。
俺は池田基(イケダ モト)。鳳学園の頭やってるらしいよー。」
鳳学園って…え…マジ…?
俺はチームとか作らないし基本的に売られた喧嘩は買うっていうか…そんな気分屋生活をしている。そんな俺でも鳳学園の頭はヤバいって知ってる。なんか、キレたら手付けらんないとか。……でも俺こんな有名な人に出会えたんだ。
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