一軒
□だんしょう
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「もしもし…はい、藤宮伊月(フジミヤ イヅキ)と申しますが…はい、…ええ、いつもの茶髪の奴で。」
ピッ
「またかよいづいづー!」
「文句あっか。」
俺のことをいづいづとかふざけた名前で呼ぶこいつは花代晃(ハナシロ アキラ)。残念ながら親が幼なじみ同士ということもあって、生まれる前から腐れ縁だ。
「女の子が苦手だからって男に手をだすなんて俺泣いちゃう!」
「勝手に泣いてろ。」
「うわぁぁあん!!」
ガチで泣きよったこいつ…。
「だったらお前が相手してくれんのかよ。」
「それはナイ。」
「だろ?」
「や、だって、男の勲章をケツにねじ込むわけだろ?イタイイタイイタイ…!!」
「俺はねじ込む側だから関係ないな。」
「挿れるのもキツそうじゃね?」
「そうねー、いきなり後ろの孔ってなると痛いかもねー。」
「違うよいづいづ、挿れられる側じゃなくて…いづいづじゃない!?」
「あなた達、あたしの授業で下品な会話しないでくれる?いくら前後で会話してもクラス全員に聞こえてるんだからね。」
胸を大胆にさらけ出して、もうすぐ出るんじゃないかと思うそれに晃は釘付けになっている。思い切り鼻の下を伸ばして。
「あれぇ、先生眼鏡変えましたー?」
…デレデレしやがって。
「変えてないわよ?」
「でも黒縁のラインストーンが無いですよ?」
「あら、よく気付いたわね、昨日服に引っ掛けてとれちゃったのよ。細かいところに気がつくわねー。そういうとこ好きよー。」
「無表情で言わないでくださいよー。」
毎日こんなやり取りを見せつけられてる俺の身にもなれよ。イライラする。
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