一軒
□強くねーよ
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「ふむふむ…。
んー、やっぱありきたりだよなあ。」
黒板に出された案を書き出した後田。
案外字が丸っこくて女みたいだ。
「……前原、なんかない?」
グイッとこちらに近付いてきた後田。
襟足は長く伸ばしていて、前髪は飴玉のようなゴムで結んで上げている。色は…何という色だ。おそらくアッシュピンクだろう。俺でも多少はその辺の知識はある。
「…世界の紅茶集めました。」
「…え?」
「…いや、なんでもない。」
世界の紅茶集めましたという商品があるんだが伝わらなかったようだな。
「それいいんじゃね?」
…これを言ったのは後田ではない。桜木だ。
「日向センセだったらコーヒーより紅茶の方がダンゼン好きだよ。」
何故か天津先生を下の名前で呼ぶカタカナ野郎
「そっかぁー、それいいかもな!
前原と桜木ありがとうな!」
後田に至っては天津先生のことが好きだろう。見てれば分かる。絶対そうだ。
…桜木は天津先生とデキてるだろうな。
「可哀想に…後田。」
「ん?前原まだ何かあるのかもしかして。」
「ない、断じてない。」
「そっかそっか、じゃあ今日のサプライズ計画はこの辺で終わりだな、皆協力サンキュね!」
ハートが飛んできそうなウインクにクラスメートの何人かは落ちている。
†