導の血を引く少女
□沙羅ノ国・修羅ノ国
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「ここは⋯」
先ほど目を覚ましあたりを見回す
黒鋼達はどこ?
綺麗な花びらが少し周りに落ちていて
布団に寝かされていた
「起きたかサエよ」
「夜叉王!」
ばーっと走りぎゅっと抱きついた
見覚えあるとおもったら夜叉王の城だったのか
夜叉王も私の頭をなで微笑む
私と夜叉王は昼間から酒を飲み話をしていた
なぜ私がここにいるのか
1人でいたのか
そう聞くと夜叉王は優しく答えてくれる
私は1人で戦場に倒れていたらしい
他に倒れている者はいなかったそうだ
じゃあ⋯あの人達はどこへ
「ねえ夜叉王、どうして目に傷がないのかしら」
先程からずっと気になっていた
確か夜叉王は病に冒されていて
目にも阿修羅と戦った時についた傷があったはず
「敵わないな⋯
私は夜叉王だが、不思議な力で蘇った魂の幻として」
「それは羽根のような形をしていた?」
「ああ、知っているのか」
話を聞いた感じでは
夜叉王はサクラの羽根の力で蘇ったってところかな
「それは私が旅をしている目的の
一つでもある。
だけど貴方から無理に取ろうとは思わない
阿修羅との決着がつくまで、待つわ」
微笑むと夜叉王は「ありがとう」と
窓際で太陽を眺めていた
時は薄暗い夜
今宵も満月
月の城へと移動しそこは一瞬で
『戦場』へと変化した
私は黒蝶をとりだし戦に参戦する
「久しいわね倶魔羅」
「サエ!?」
妖艶に微笑むと彼は顔を赤くしながらも
攻撃をしかけてくる
阿修羅に聞いたが倶魔羅は私に好意があるらしい
この世界は【残酷】なのかもしれない
阿修羅と夜叉王のように
ふいに月をみると
「もう月が上りきった
倶魔羅、また明日な」
背を向け馬にのり夜叉王の隣へ行く
そして私達は月の城ではなく
元いた国へ戻ってきた
そして私が来てから一年が過ぎた