小説
□沈みゆく恋の軌跡
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いつだったか、正確な年月日なんて思い出せないが、俺ちゃんとアイツが70億分の1の確率で奇跡的に出会ったあの日が、俺ちゃんの人生最大の厄日だったんじゃないかと今でも本気で思ってる。
そこから始まる、あの懐かしくもなく美しくもない日々さえなければ、こんな面倒な感情など知らずに生きて行けたのに――
何にも執着をせず囚われず、ただ、今生きている時間が楽しいものでありさえすればそれでいいという俺ちゃんの生き方と、変にクソ真面目で何事にもストイックなアイツの生き方は真逆だった。
だからだろうか、面倒な生き方してるなー、それはそれでからかったら何か面白そうな奴だなーと、最初は興味本位で近づいた。の、だったと思う。