赤井夢

□恋色の下着
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「あ〜〜!やっぱりここにいた!」


様々な種類の武器が収納されている地下の薄暗い倉庫・・・
休憩時間を利用して、殺人課に所属する蓮子は度々ここに入り浸るのが日課だ


交通課の三池が部屋の扉を力任せに開け、中へ入ってくるや夢見心地だった蓮子はビクッと肩を震わせ、重工な造りの銃をうっかり落としそうになった


「三池さん!ビックリさせないで・・」
「全くぅ・・こんな銃なんか眺めて何が楽しいの?」


重量感のある、銃を持ったまま後ろを振り向き蓮子はさも愉快そうに三池に語り始めた


「見てこの銃!カーボンファイバー製よ?旧ソ連が使っていた軍事用の・・・」
「だぁーー!その話はもう聞き飽きたから、休憩室に行こうよ」


蓮子の言葉が終わらないうちに、三池は腕を引っ張り彼女を倉庫から連れ出した
休憩室は他の部署の職員でごった返していた
二人が窓際のテーブルに向かい合って腰掛けると、三池と同じ交通課の宮本が手を振りながら近づいて来た


「あっ、宮本さん!お疲れ様です」


蓮子が椅子から立ち上がり敬礼すると、宮本は意味深に笑いながら蓮子に耳打ちした


「・・蓮子さん、赤井さんが来てるよ?」


宮本の言葉に、蓮子が飲んでいたコーヒーを吹き出し、そんな蓮子の様子を見て、三池と宮本は指差して大笑いした


「やだ〜〜動揺しすぎ」
「どんだけ、赤井さん好きなの〜〜?」


コーヒーで汚れたテーブルをナプキンで拭きながら、蓮子が頬を赤くさせているとテーブルを拭いている蓮子の顔を二人は身を乗り出して、まじまじと見つめてきた


「蓮子さん、今日はばっちりメイクしてるね〜〜」
「この子、今日のブラなんて赤ですよ?」


休憩室にいた男性職員が一斉にこちらを振り向いたので、蓮子は三池の口を手で塞いだ
すぐに周りの皆が目線を前に戻したので、モゴモゴと言っている三池の口から手を離し、蓮子は彼女に人差し指を突きつけた


「三池さん!声が大きいです」
「なになに?赤井さんが来てるから、赤いブラなんてつけたの?」


宮本がブラウスのボタンを開けて中を確かめようとしてくるので、伸びてくる手を払い蓮子は後ろを向いて背を丸めた


「き・・今日の私のラッキーカラーです」
「好きですって告っちゃえばいいのに〜〜、確か赤井さんって今は彼女はいないはず・・」



俯いたまま蓮子が何も答えないので、二人は顔を見合わせ急に立ち上がり蓮子の肩を後ろから押した


「ちょっと・・!何するんですか」
「赤井さん、さっき喫煙所にいたから話かけてきなよ」
「今日のミッションは、連絡先を聞くこと!わかった?」


二人にグイグイ背中を押され、休憩室から追放された蓮子は半ば強制的に喫煙所へと向かうことになった
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