赤井夢

□mystery theater
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熱気漂う商店街
日本列島は記録的な猛暑が連日、続いていた
今夜も熱帯夜になること間違い無しだ


人で混み合うレストラン街の一角
映画を二人で観て、赤い看板が目印の中華飯店に入った赤井と蓮子


丸い円卓の上に並べられたご馳走を前に、蓮子はただ頬杖をつき湯気がもくもくと上がる、料理の品々を見つめていた


向かいで点心を食べていた赤井は顔を上げ、沈黙を破ろうと不機嫌そうな様子の蓮子に言葉をかけた


「・・そうやって、ずっと口をきかないつもりなのか?」


チラッと赤井の方に視線を送り、蓮子は再び目線を下に向けた


「・・あなたとはもう何も話しません」

「普通に話しているじゃないか、恋人同士なんだから別に良いだろ?」


湯気の出る肉まんを二つに割り、赤井は頬を膨らませている蓮子に差し出した


「食べるといい・・もう少し肉づきが良い方が、オレは好みだ」


肉まんを受け取り、蓮子は下を向いたままガブリとかぶりついた


「・・・貧乳で悪かったですね」

「いや・・手触りは良かったぞ?中の肉づきはまだ確かめてないが」


太腿に手を乗せスカートの中に赤井の手が入りそうになると、蓮子は反射的にピシャリと叩いた


「お・・お触りはもう禁止です!いい加減にして下さい!!」

「そうムキになって怒るな、もっとシて欲しいって思っただろ?」

「人に見られたんですよ!?私達、二人とも警官なのに・・公然わいせつです!!」

「警官だってキスぐらいするだろ・・たまたま見られただけじゃないか」


肩をポンポンと叩かれ、蓮子は言葉に詰まりストローをガジガジと噛んだ
タバコに火を点けている赤井を横目で見つめ、映画館での出来事を思い出し蓮子の頬をが赤く染まった




ーーーーー二時間前・・・
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