恋の乱LB
□愛の言の葉(主人公目線)
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「――っ!」
口元を両手で押さえながら、がばっと途轍もなく熱い顔を勢い良く顔を上げた。
きっと、耳まで、いや、身体の全部が真っ赤に茹であがっているに違いないと、
沸騰した頭の隅で思う。
「ぁ……ぁっ……」
「ん?」
上手く言葉が出なくて、手の下でぱくぱく口を動かす美弥に、
小十郎が蕩けた表情で首を傾げる。
その表情と仕草に美弥の体は、より一層かあっと熱くなった。
(は、恥ずかしすぎるっ)
居たたまれなくなり、紅潮した顔で小十郎枕元から逃げ出そうと腰を上げかけたところ、
ぐいっと強く腕を引かれた。
「わっ?!」
身体のバランスを崩して、腕を引かれるままに小十郎の胸元に倒れ込む。
すぐさま、逃さないというように柔らかく小十郎の両腕が美弥の身体に絡み付いた。
羞恥から小十郎の傍より逃げ出したい美弥が、拘束する腕から抜け出そう少しもがくと、
抱き締める腕の力が強くなるだけだった。