おそ松dream

□欲しいのは君だから
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あーつまんねぇ。
何も良いことねぇし。
パチンコには負けたし。
面白いことねぇの?

「一松さん?」

あ?何だこの子。
何で一松の名前知ってんの?
つうか可愛い。
こんな可愛い子と一松が知り合い?
無い無い。

「もしかして…似てるだけかも…人違いです!すみません」

何も言わない俺を見て、慌てて逃げようとした彼女の腕を掴んでいた。

「一松って俺の弟じゃね?」
「え?嘘…」
「このパーカーの紫の服着て無かった?」

服を確認して頷く彼女。
んだよ。マジで一松の知り合いかよ。
どこで捕まえたんだよ。こんな可愛い子。

「一松は家に居るから着いてくる?」
「いえ…そこまでは…」
「どうせアイツも暇してるんだし、時間あるなら来たら?」
「急に行ったら一松さんに嫌われちゃいます」

ふるふると首を横に振る彼女。
待て待て!
嫌われちゃうって何だよ。
この子まさか…一松のこと好きなの?あり得ねぇって。

「まさか一松のこと好きなの?」
「ち…違います!お友達です!」

お友達…ねぇ?
友達なら俺にもワンチャンあるんじゃねぇか?
って言っても彼女は耳まで真っ赤にしてるし…好きなんじゃん。
面白くねぇな。
一松のことを好きになる子が居るなんてよ。

「友達なら来たら良いじゃん…行こうぜ」

腕を掴んだまま彼女を連れて歩く。

「あの…手離してもらっても良いですか?」
「えー?なんで?一松にバレたら困るから?」
「そ…そういうわけでは…」
「一松のこと好きなんだろ?」
「……私に好かれたら迷惑です…でも私のことどう思っているのか…聞きたい」
「どういう関係なわけ?」
「友達…です…」

少し寂しそうに呟いて俯く。
どう見ても友達としては満足できてねぇって顔してるし。

「へぇー…一松に友達ね」
「どうでも良いですから、早く離してください」

冷たいねー…一松にもこんな反応するのかよ。

「なぁ…一松がどう思ってるか協力してやろうか?」
「え?」

掴んだままの腕を自分の方に引き寄せてじっと見る。
へぇー…近くで見ても可愛いし。

「聞きたいだろ?一松がどう思ってんのか…」
「あ…はい」
「んじゃ明日、さっきの場所にこの時間に一松連れて行くから隠れとけば?俺は君のことを知らないふりしといてやるし」
「ありがとうございます」

嬉しそうだねー。
そんな幸せそうに笑っちゃってさ。



二人が上手くいくとか面白くねぇんだけどさ。
幸せになった二人をぶっ潰してやりてぇ。
俺…君に一目惚れしちゃったんだよね。
だから君が欲しい。
いつか君をアイツから奪ってやる。
それまで…幸せでいられると良いね?
まだお前たちは始まっても無いんだけどさ。

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