おそ松dream

□代わりじゃないから
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つまんねぇ。
弟と彼女はどんどん密接な関係になっていく。
協力するんじゃ無かった。

ムシャクシャする気持ちでパチンコに行っても負けたし。
マジついてねぇ。

家に帰ろうと思って歩いてたら、弟の彼女にそっくりな人を見つけた。
一松…彼女の家に行ったよな?
つうことは一松が一緒のはず…でも、彼女は一人。
髪型も違うけど…似てる。

声…かけてみよっかな。
弟の彼女かもしれねぇし。

「…美夜ちゃん?」
「はい?誰ですか?」

近くで見てもアイツの彼女そっくり。
けどやっぱ違ったのか。

「悪い…人間違いしたかも」
「私の姉も美夜ですが…」

おー…まさかの姉妹か?

「いや…マジそっくりな人が知り合いにいてさ」

彼女は眉間に皺を寄せて俺をじっと見ていた。
なんだよ…その目は…。

「姉の彼ですか?見たことあります」

は?俺じゃねぇよ。

「でも、姉の彼はもっと眠そうな顔してたんですけど…一松とか言う人…知ってますか?」
「それ俺の弟じゃん」

まさかの妹とはね。
何これ。運命?
一目惚れした彼女にそっくりな妹。
しかもしゃべり方までそっくり。
この子…欲しい。

「お兄さんでしたか…私、美夜の妹の夏美と言います」
「俺はおそ松」
「姉の彼氏さんってどんな人ですか?」
「あー…暗い感じ、でも君の姉さんと付き合いだして変わったなー」
「それは良かった…私の姉も暗い人でしたが、一松さんの話をするときはとても幸せそうなんです」

君が幸せそうな顔してどうすんの。
自分のことのように幸せそうに笑う妹。
なんだよこの姉妹。

「君…モテるでしょ?」
「そんなこと無いです!姉の方がずっとモテてました。本人が人を寄せ付けないオーラ出してたから…高嶺の華みたいな感じでしたよ!」
「へぇー…君も高嶺の華って感じだったんじゃねぇの?」
「そんなことありません!彼氏とか居たこと無いです!」

力いっぱい否定するけど、可愛いよね。
なんつうか…一松の彼女より柔らかな感じ。

「ところで君達そっくりだよね?双子だったりするの?」
「はい。私達、双子なんです」
「おー…まさかの双子かよ。ちなみに俺は六つ子の長男なんだけどね」
「六つ子?凄く無いですか?」
「俺達の中では普通だったしなー」
「え…じゃあ一松さんも…六つ子の一人?」
「アイツは4番目」
「だから似てたんですね」
「なぁ…時間あるならちょっとカフェで話さねぇ?姉さんのこと聞かせてよ。一松に教えてやりたいし」
「えっと…それはナンパとか言うやつですか?」

上目遣いでじーっと俺を見てる。
可愛いじゃん。

「まぁ…ナンパ?」
「ナンパ…ならお断りです。姉に知らない人に着いていくなって言われています」
「いやいや…君の姉さんの彼氏の兄貴だぜ?知らない人になんの?」
「んー…なるの?」

首を傾げて聞き返してきた。
何この小動物。
可愛いじゃん。

「良いじゃん…一松の話もしてやるしさ」
「んー…それなら…行っても良いです」

近くのカフェに移動して話してたけど、姉のことより妹のことの方が気になった。
似てるから声かけたはずなのに…この子の事が知りたい。

俺…完全に恋してる。
美夜ちゃんが欲しかったはずなのに…妹の方がずっと気になる。
この子…彼氏居ないって言ってたよな。
俺に…チャンス無いかな。
もっと近づきたい。
もう少し真面目になったら君に見てもらえんのかな?
姉の彼氏の兄貴としてじゃなくてさ…おそ松として俺を見てよ。

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