沖田総受け1
□大事にして
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今日は万事屋に訪問者がいた。因縁の相手真選組だ。俺はお気に入りのイチゴ牛乳を机に置くと、愛しの沖田を見つめた。
かわいらしい顔には似合わない、刀、制服、そのアンバランスも彼の魅力だ。
「んで?何のよう?」
「いや、なんか総悟が話あるってよ。」
「沖田君が?」
土方の後ろで若干恥ずかしそうに俯く沖田。土方が沖田の肩を数度叩いてやると、口を開いた。
「あ、の……旦那、浮気、ですかィ?」
「へ…」
答えを聞くのが怖いのか、その声は震えていて、大きな目からは今にも涙が零れそうだった。土方は「落ち着け」っていいながら沖田の背中をさすっている。
「ご、ごめん、心当たりねぇんだけど。」
「とぼけんな。てめぇこないだ吉原の成海って女とヤったんだろ。」
代弁とばかりに土方が言う。俺はまったく覚えがなく、戸惑ってしまう。
「い、いや…成海……成海…うーん…あ、わかった。こないだダンナの浮気調査してくれーてその女に頼まれて、んで結局浮気で、気晴らしに飲んだ。まぁ神楽も新八も一緒だったけど。んで、成海さん泥酔しちゃって、家まで連れて帰っただけだよ。」
そう、成海さんのことなんでもう忘れていた。沖田以外の男、女を抱くつもりはない。
「嘘つけ、成海が言ってたんだよ……てめぇに侵されたって。俺と総悟は偶然その女が友達にそれ話してるところにハチ合わせしたんだよ。」
「…悪いが身に覚えがねぇ…」
「く、詳しく、聞いたら、酔った勢いで…って…」
震え声で沖田が言う。ついにその目からは大粒の涙がこぼれ落ち、土方がなだめようと沖田の肩を抱いた。それだけでイラッとする。
「……あのあと俺は神楽と新八とちゃんと帰ってる。なんなら2人に…」
「おっ俺の事はっ遊びだったんですかィ?!やっぱり、女のほうがよかったんですか?!ならっ…ならそう言ってくれたら…よかったのに…」
酒癖において、俺はとことん信用がないらしい。ほとんど叫び声に近い沖田の訴えが耳をつんざいた。
「ばか!誤解だ!」
「なにがでィ!!毎晩毎晩喘がされて、でも旦那とだからっ…幸せだったのに……なんか、乱暴って思うんでさぁ!それって俺が性欲道具だったってことですよねィ?!」