沖田総受け1
□種
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「沖田君…好きです」
「へ…」
昼下がりの公園、ベンチで無駄話をしていた沖田は銀時の突然の告白に動揺した。
「なんの冗談ですかィ?」
「冗談じゃねぇよ…ま、まじだから」
顔を朱に染めた銀時を見て、沖田も冗談でないことを理解する。
「ぇ…と…ですね」
「なに?…まさか彼女いるとか?」
「い、いえ。いやせん」
取り敢えず脈はありそうだと、銀時が安堵する。右手で頭の後ろをかく沖田は、言葉が出てこない。
「好きな人は?」
「好きな…ひと、は……」
あっという間に真っ赤になってしまった沖田を見て、銀時は察する。
「いるんだ…」
「へ、へィ」
「だ、誰か教えてくれたらこの場は引く!」
銀時的には相手を知った途端どんな手を使ってでもその女に男を作らせるつもりでいるのだ。我ながらイカれているとも思うが、それほど沖田が好きなのだ。
「そ、そいつは勘弁してくだせぇや。」
「た、頼むから!」
銀時はじりじりと距離を取る沖田の手を掴み顔を近づける。
「や、やだ…」
「総悟、」
「っひ、土方さん!」
沖田にとってはタイミングの良いところで、銀時にとってはタイミングの悪いところで土方が現れる。沖田は銀時の手を振り払うとラッキーとばかりに土方の方へ歩む。
「迎えに来てくれたんですかィ?」
「まぁ今日はそうかな…昼飯いくぞ。」
「へーい。ってことで旦那、今日は失礼しやす」
片手をヒラリと振りかざし!去っていく。その片手には赤と白の紐ブレスレットがついていたのがチラと見えた。銀時は珍しいなと思いつつふと、邪魔をしにきた土方を睨む。と、土方の刀に赤と白の紐ブレスレット────
「そういうことか…」
銀時はポツリと呟くと笑みを浮かべた。