沖田総受け1

□愛とはなんぞ
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気に食わねぇ

沖田は舌打ちをこぼした。彼が腹を立てているのは自分の恋人と話す女の存在だった。金髪でボンキュッボン。顔に傷があるが相当な美人だ。どこで知り合ったのか知らないが、沖田の恋人、銀時はその女と仲が良いらしい。

今日も折角非番で会いに来た沖田をそっちのけで銀時は月詠と喧嘩をしている。

「うっせーな!胸触ったぐれぇでんな怒るな!」

「触ったじゃと?!どう見ても揉んだじゃろうが!」

「動揺しねぇんじゃなかったのよ!つかそこに胸があったら揉んじまうのが健全な少年の性なんだよ!」

しかも喧嘩の内容はちちくりあっているようにしか聞こえない。沖田は袴の裾を握ると俯いて踵を返した。

「あ、沖田くん、かえんの?」

「……」

そこで振り返ってき銀時を沖田は無視る。そして自分を見つめた。男だからしょうがないと思っていたが胸はない。締め付けだって女の身体には負けてしまうだろう。女にはなりたくないが、沖田は心底悔しかった。

「ん?なんじゃ銀時の知り合いか?」

「ん、あぁ。友達っつーか弟みたいな。」

次の瞬間沖田は銀時を殴っていた。

「ってっ、なにすんだよ!」

「うっせーばーか!」

沖田は逃げた。沖田にとって銀時がほかの女とイチャイチャしている様は耐え難かった。そこに追い討ちの「弟」よばわり。バラしたかったわけではないし、むしろバレたくないが、沖田からしてみれば、「おれのものだ」と主張してほしかった。特に銀時に気がありそうなこの女には。
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