銀魂イロイロ

□ボタンのかけ違い
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「おぃ、おぃってば!神威!」

「…な、なに?そんなに呼ばれなくても、ここに、いるけど」

高杉に呼ばれた神威は、笑みを浮かべつつ、しかし、冷淡に返事をした。特に喧嘩、というわけでも、高杉を嫌っているわけでもない。

事の始まりは、三日前。恋人同士という特別な存在となったふたりは、初めての情交を交わした。

「初めて」ふたりがそうだった。入れられる神威も痛いし、痛がる神威を見る高杉も辛い。その日神威は、やめてほしいと訴えたのだが、高杉はその静止を無視し、半ば無理矢理犯した。

それからというもの、神威は高杉を拒んでいる。泣き叫ぶ自分を見ていた高杉の目は、笑っていた。その事実がどうしようもないほど怖かったのだ。

今日も、憂鬱な日が来る。



「おぃ、なに怒ってんだ、てめぇ」

「……怒ってないヨ」

「はっ、話しかけたら逃げるし触れたら弾くし、どこが怒ってねぇのか説明しろよ。」

怒ってるのは晋助のほうだろ、と思う神威だが、キレられると手がつけられないのであまり刺激をしないようにする。

「ん、そ、そうだった?ごめんネ…じゃあ、」

そう言って去ろうとする。が、高杉が許すはずもなく神威の腕を掴んだ。

「そういうことじゃねぇんだよ。」

「い、痛、い。離してヨ。」

視線をそらした神威に腹を立てたのか、掴む手に力を込める。ギロと睨むと神威の体かビクリと揺れた。

「…怖いのか?俺が…」

「こわ、く、ないヨ。」

「……お前、何考えてんのかわかんねぇな。」

「晋助もネ」

しばらくの沈黙が流れる。高杉は1度大きなため息を漏らすと────笑った。

「うぁっ、やだっ、離して晋助っ、」

高杉は神威を軽々と持ち上げると、自らの部屋に向かった。夜兎の力を使えば神威も抵抗できただろうが、高杉を傷つけたくない上、先ほどの笑があまりに恐ろしく、声を荒らげることしかできない。

「し、しん、すけ、どこいくっうぁっ」

高杉は思い切り神威をベットに投げ、煙管を灰皿に置いた。神威はベットに投げられた意味を理解すると、酷く怯えるのだった。

「や、…いや、俺、ヤらないからネ…」

「ヤる?んなあまっちょろくねぇさ。犯す、ぜ。」

「ひっ、や、く、くんな、」

恐怖から足の動かない神威の衣服を次々に剥ぐ。それでも動けないほど神威が感じた初めての高杉との情交は恐ろしく、脳内に深く植え付けられてしまっている。

「晋助、おねが、やめっ、て」

「なら、逃げりゃいいじゃねぇか。少なからず期待してんだろ…お前、」

高杉は、露になった、神威の胸の突起に吸い付くと、思い切り吸い上げた。神威からは悲鳴しか上がらない。高杉の触れる指も、体も、唇も、視線も、全てが痛くてたまらない。
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