銀魂イロイロ
□メランコリック症
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「っ……!!…」
ラッキィ。こんな近くでこいつの顔を拝めるとは。旦那よ、ありがとう。まぁ、どつかれるのは時間の問題だな。ギリまで眺めておこう。
「…や、いやアル!!!」
思い切り胸板を両手で押され俺は壁に頭をぶつけた。まさか、ここまで拒否されるとは。
「なにしやがんでぇ!んな押さなくても離れまさぁ!」
「近づくなヨ!きめぇ!あー胸くそ悪いアル!」
そう怒鳴りながら俺の触れた箇所をパンパンと払った。いつもなら…言い返せるのに…ただの喧嘩じゃねぇか。なんで、なんでこんなに痛い…痛い…胸が…
「っ………」
「!!……オ、マエ…なんて顔してるネ……」
どんな顔をしているんだろうか。眉が下がってる…下唇いてぇ、噛んでるな。情けない顔してる。もう、いやだ…
気がつくと俺は万事屋を飛び出し一目散に真選組屯所に走っていた。旦那がなんか叫んでいたが振り向かない、振り向かない。
部屋に飛び込み痛む胸を掻き毟る。息が切れて…苦しい。そんなに…気にすることではなかったと思う。思うのになんでこんなに…苦しいんだ。
「ふ…く、ぁ……?!!」
息がっできない?!いや、吸えない?!苦しい、苦しい、誰かっ…かぐ、ら…
「総悟?おぃ…総悟?…総悟!!」
霞む意識の中、聞こえたのは土方さんの声だった。視界も苦しさからきた生理的な涙で霞み、なにも見えない。
「おい!大丈夫か?!総悟!!」
「っ…っ……っっ」
「クソッ…!!、ビニール…これでいいか、吸え!んでゆっくり息はけ!」
土方さんは俺の口許にコンビニのビニールをあてがった。あぁ、そうか、これは過呼吸なのか。ようやく理解した俺だが症状はよくならない。頬を涙が伝う。
「っっ……ぁ、はっ、ふっ」
やっと息が吸えた。土方さんは俺の背中を優しく撫でてくれた。らしくねえことすんな、気持ちわりぃ。でも、ありがとう……
「はぁ…グズッ…はぁぁ…ズッ…ん、すいや、せ」
「落ち着いたか……ったくてめぇは1人で抱え込みすぎなんだっつうの。姉ちゃんのことだって…お前相当ストレスきてただろうが。だから仕事も休めつったのに…無理すっから…」
「………すいやせん、」