ふれあい
□足りない
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そっとてをさしのべて、
じっと見つめるとにこやかに触れてくる。
きゅっと手首をつかんで、寄せたあとに、ゆびとゆびをからめて、
爪先にキスしてくる。。
「みつただ、」
さにわは、逃げなかった
どんなことが起こるかなんて、知ってる。
お願い、満たして、
ただ目を細めるだけ
その目の潤みに、
緩く弧を描く唇に、
求めてやまない激しい感情を潜ませて、
さにわは、抱きしめて目を閉じた。
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、、、若い男が捕まりました。
、、、、、、抱き上げて見たかったと、、、、
本丸の大広間には、テレビがある。
この2205年のチャンネルであり、
スクリーンのいらない、映像であるが、
変わらない、とさにわは思っていた。
男士たちの朝食争奪戦の喧騒に負けない音で、言葉で、この世界の外のことを伝えていた。
ふと聞こえてきた文章は
他人事とは思えない。
さにわの箸がとまり、視線は釘付けになる。
「、、、」
「?」
光忠はその姿を側で見ていた。さにわの視線の先にテレビがあることは知っていた。。
しかし移したときには、次の話題に移っていた。
しかし、さにわは厳しい目で食事に向かっていた。
じっと見つめて、たまらず声をかける「あるじ、どうしたの?」
「ぅあ、、?ううん、何でもない、」
「、、、あーるーじ、、」
何か考えてるんでしょ?
そっと、素早く。
光忠は両手でさにわの両頬を包み込んで、、
ふにふにふにふにふに
「!!、、あ、、や、ちょっと、、、、」
痛くない程度にふにふにこうげき。
突然のことにさにわはびっくりしてぽわっと頬を染め、はなして、、とばたついた。
光忠は染めた頬が暑くなる感触を手袋を通した指先に感じて、笑みをこぼした。
手を止めて、問いかける。
「あるじ、さっき苦しいって顔してたよ、、」
「え、えっと、、、そ、そんなにしてた、、?でもわたしは、何も」
うーん、あるじ。
「教えて?主。君が何を思ったのか、、
笑顔が消えるほど、心を揺らしたのは何か、、小さなことでも、教えて?」
知りたいんだ。主のこと
ゆっくりと問いかける言葉、、どれもやさしく、ゆるりとさにわを包む。
見つめる目に気持ちを押され、さにわは、ついに口を開いた。
。