時を超えて

□五.伊勢の大太刀使い
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五.伊勢の大太刀使い

「そろそろ時間かなー?」
机の上に置いた時計を見て時間を確認すると、ロアは出発の準備を始める。準備を終えてエナメルバッグを肩に掛けて部屋を出る。
「……長野さんはもう行っちゃったのかな?」
不意にロアは立ち止まった。すると角を曲がって来た女中が話し掛けてきた。
「あら、安藤様。こんなところで如何なさいましたか?」
「あ、いや……長野さんは、もうお城に行っちゃったのかなと思いまして」
ロアは苦笑しながら彼女の問いに答える。
「殿でしたら、まだお庭にいらっしゃると思いますよ」
「そうですか」
「行ってみては如何です?」
「そうしてみます。ありがとうございました」
ロアは女中にお礼を言い、庭へと向かった。




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