時を超えて

□四.今日の予定は?
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「私もそんなコトを考えられる人間になれるように、頑張らなきゃ」
ロアは両手をグッと握りしめて気合を入れている。
「……お前なら、きっとなれるさ」
左京亮は優しく微笑み、ロアを見据える。
「……ありがとうございます」
ロアは嬉しそうな顔をして子供っぽい笑みを浮かべた。
「……それで、そのお祭りはいつやるんですか?」
「明後日辺りだそうだ」
「……急ですね」
「まったくだ」
意外にも早かった祭りの開催日にロアと左京亮は苦笑する。
「今日の業務はその準備だろうな……」
「そうですね」
ため息を吐く左京亮とは対照的にロアは楽しそうな顔をしている。
「……楽しそうだな」
「はい。私お祭りも、その準備も楽しいので大好きです」
「……そうか」
楽しそうに話すロアの表情を見て、左京亮は小さく笑う。
「じゃぁ、早くお城に行かないとですね。
ごちそうさまでした!」
ロアは勢い良く立ち上がり、走って自室へと戻って行く。
「……彼奴、廊下を走るなと何度言ったら解るのだ?」
屋敷に来てから何度も言い聞かせているのにも拘らず、未だに廊下を走るロアに左京亮はため息を吐いたのだった。

……続く
→あとがき
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