The brand in bloody

□08.帰魂
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由乃からの連絡に一気に目が覚めた朱威。
社長の事を調査しに向かったメンバーが相次いで侵蝕に遭っている。
そんな事を聞いて眠れるはずがなかった。
眠れぬまま朝を迎え、半ば意識が朦朧としながらリビングへ降りた。
晋浬がすでに朝食の用意をしている所だった。
「おはよ・・・って、どうしたその顔」
「ちょっと寝れなくて」
やや青い顔で乾いた笑いを浮かべる。
「由乃さん帰ってこなかったな。連絡無かったし、どうしたんだろ」
「・・・そうだな」
晋浬には連絡が入っていない。
嘘のメールでも入っているかと思っていたが、そうする余裕も無かったようだ。
皆どうしたのだろうか。
今すぐ本部へ行きたい。
「朱威、おい、大丈夫か?」
「え・・・?」
晋浬が訝しげに見つめてくる。
「学校、行けそうか?」
「行ける行ける!大丈夫だって」
「まぁ・・・今日テストあるしな」
「は、テスト?」
「古典のテストするって、先生言ってただろ?忘れたのか?」
「うっそ…」
さらに青ざめる朱威。
「全然復習してないんだけど」
「あーあ、終わったな」
「はぁ・・・」
なるべく普通に過ごす努力をする。
晋浬に本部の状態を知られたら、きっと社長に会おうとする。
そうさせる訳にはいかない。
今は晋浬から目を離せない。
自分も、しっかりしなければ。

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