The brand in bloody

□03.赤き追憶
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晋浬を探して学園内を捜索していた那砂達は、何処にも彼が居ない事を確認し、校門前で集合した。
「学園内には居ないな…。さっき連絡した通り、今街で由乃さんも捜索してくれてる。俺達もそっちに合流しよう」
学園に居ないのなら、もう街しかない。
一行は学園を出て街へと向かう。
その間に、合流の連絡をする為に由乃に連絡を取ろうと携帯を掛ける那砂。

「……?」
だが、いくらコールしても出ない。
「どうしたの?」
眉を顰める那砂に、汐伽が訊ねる。
「出ないんだよ、由乃さん…。大事な時なのに…」
「私も掛けてみるよ」
そう言ってポケットから携帯を取り出し、由乃に掛ける。

「……出ないね…。電源が切られてる…」
「仕方ないな。とりあえずまたバラバラになって探すぞ」
こくりと汐伽と凪叉が頷き、解散しようとしたその時、那砂の携帯が鳴った。
「由乃さんだ」
「!」
着信者を確認し、すぐさま出る。
「もしもし由乃さん?晋浬は学園には居ませんでした。なので俺達も由乃さんに合流します…」
『那砂君!まだそこに皆居る!?』
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