The brand in bloody

□04.覚悟
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汐伽(しおか)達が“侵蝕”に遭い、晋浬が重傷を負ったあの日から早1ヶ月。
晋浬(しんり)は順調に回復し、明日退院となった。
抜糸を終えて病室に戻ってきた晋浬を、汐伽と凪叉が迎えた。

「お疲れ晋浬」
「お邪魔してまーす」
さも自分の家のように堂々と椅子に座っている凪叉に思わず呆れる。
「…凪叉(なぎさ)、お前……」
そんな晋浬をさらりと無視し、話題を切り替える。
「で、どうだったの?抜糸。痛かった?」
「軽いよ凪…」
汐伽が苦笑する。
「そりゃあ痛いよ。かなり縫ったし」
「うー…」
汐伽は想像したのか思わず身震いする。
「私無理だよそういうの…。凪、話変えようよ」
「えー、もうちょっと聞きたいなぁ」
「凪!!」
少し泣きそうな声で凪を止めようとする。
それにだんだん悪ノリしてきた凪叉を、晋浬が止める。
「もう止めろよ。汐伽嫌がってるだろ」
「ふふ、それが楽しいのに」
「ちょっ、凪!?」
驚きの発言に、汐伽は叫び声にも似た声を上げる。
何だか収集がつかなくなってきて、晋浬も止めるのが面倒になってきたその時、扉が開き朱威(しゅい)が入ってきた。
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