The brand in bloody

□05.扇浬
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汐伽が“侵蝕”に遭遇した翌日。
いつも通りに登校してきた汐伽だったが、彼女を見た晋浬と凪叉は異変に気付く。
「おはよ、皆」
笑顔で挨拶する汐伽。
そんな声に彼女の方を見た晋浬は、すぐには返事をしなかった。
「……」
ただじっと汐伽の顔を凝視する。
あまりにも見つめられるので、汐伽は思わず紅潮する。
「な、何?晋浬…」
その様子に凪叉も汐伽を観察するように見る。
「…」
「……」
2人から見つめられてとうとう硬直してしまう。
そんな一同を那砂が止める。
「おい、汐伽困ってるだろ。やめてやれ」
「…汐伽」
那砂の静止を無視して、晋浬は汐伽に訊ねる。
「どうしたの?晋浬」
「…何かあっただろ?」
「え…」
思わずどきりとする。
汐伽は昨日家で起こった事を晋浬には話さないと決めていた。
今晋浬に余計な心配はさせたくない。
これに由乃も承諾してくれている。
それなのに…。
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