The brand in bloody

□08.帰魂
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二人はいたっていつもも通りに学校へ向かった。
だが学校内では何やら皆落ち着かない様子で各々喋っていた。
「あ、おはよ晋浬、朱威君」
先に教室に居た凪叉が二人を見つけて挨拶する。
「おはよう。何か皆ざわついてないか?」
「うん。ちょっと聞いた話だと、街で変なものを見たって人がたくさんいるみたい」
「変なもの?」
「よく分からないから、汐伽と那砂が友達に聞き込みしにいってる」
「ふーん・・・。凪叉は行かなかったのか?」
「テストの予習したかったのよね」
あぁ、と頷く晋浬。
「朱威もしたほうがいいんじゃないか・・・」
ふと朱威に目を向けると、やはり眠そうに目を泳がせている。
「朱威君、ちゃんと寝た?」
「・・・え?あ、いや・・・」
「顔色あんまりよくないよ?長く起きてられない体質なんでしょ?」
「うん・・・。ちょっと顔洗ってくるわ」
じゃ、と言って教室を出て行った。
「・・・ほんとに平気なの?」
凪叉が晋浬に訝しげな顔を向ける。
「多分無理。今日仕事無いから帰ったら速攻寝かせる」
「それがいいね。ちょっとキツそうだし」
そう話している間に汐伽と那砂が戻ってきた。
二人の様子は少し暗い。
「おはよう。どうだった?」
晋浬が那砂に尋ねる。
「はよ。それがさ、ヤバい感じなんだよ」
「ヤバい?何が」
汐伽と顔を見合わせてから話し始めた。
「生徒の中で、登校中に動物の死体を見たって奴がたくさんいるんだ」
朝から見たくないし聞きたくない話だった。
「死体って・・・町中に転がってるって事か?」
「あぁ・・・。猫とか蛙とか、あと・・・」

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