The brand in bloody

□02.異形の誘い
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濡れた音がした。
先ほどまで自分が座っていた席の床が濡れていた。

――――“真っ赤な液体”で。

「!!」
机の下で、血溜まりを作っている・・・。
その中に、落としたシャーペンが浸かっていた。

「っ・・・・!!」
その血溜まりから逃れるために反射的に後退する。
その際に、周りの机を巻き込んで倒す。
盛大な音が教室内に響き渡る。
「はっ・・・はぁ・・・・っ・・・」
息が詰まる。上手く呼吸が出来ない。
どくんどくんと、激しい動悸が襲う。

流れる血・・・。
腐敗したヒトの腕・・・。
迸る鮮血・・・。

「はぁ・・・はぁ・・・うぅ・・・っ・・・・」
息が出来ない。
手が震える・・・。

流れ出すはずがない物質から、赤い液体が流れ出す・・・。
女性の悲鳴が聞こえる・・・。
左肩から胸にかけて、凄まじい痛みに襲われる・・・。
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