The brand in bloody

□03.赤き追憶
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―――自宅…?

「そうか…!」
思いついた答えに、朱威は携帯を取り出して晋浬の自宅に掛け始めた。
だが、コールがずっと続くだけで、全く出る気配が無い。
念のため、晋浬の携帯にも電話をする。
しかしこれも、案の定繋がらなかった。

「……那砂達は」
ふと思いつき、同じく晋浬捜索をしている那砂に掛ける。
『もしもし』
「那砂?朱威だ。晋浬は見つかった?」
『朱威、何でお前が…?』
「俺も由乃さんと一緒に探してるんだよ」
『そうだったのか。晋浬は見つかってない。そっちは?』
「こっちもだ。なぁ、晋浬の家に行ったか?」
『あぁ。今見てきた所だ。でも帰ってなかったよ』
「そうか……。あと、何かおかしいモノとか見てないか?」
『おかしいモノ…?見てないけど……由乃さんもそんな事言ってたけど、何なんだ?』
「…いや、見てないならいいんだけど。他に晋浬が行きそうな場所知らないか?」
『俺達もそれを考えてた…。財布も何も持ってないから、交通手段は使えないし、店にも入れない…。公園とかも見たけど居ないし…』

一つ一つ思い出しながら話す。
「そうか…。分かった、とりあえず人海戦術で探すしかないな…。じゃあ切るわ…」
『…待て……!あるぞ、晋浬が行くかもしれない場所…!』
「え!?」
思い出したように那砂の声のトーンが急激に上った。
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