The brand in bloody

□05.扇浬
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「俺には、話したくない…?」
晋浬はどうしてこんなにも鋭いんだろう。
「汐伽、具合でも悪いの?昨日寝てない?」
そして、凪叉には私の異変が分かってしまうんだろう…。
汐伽は何も言えなくなり、俯いてしまう。

「言いたくないなら、言わなくていい」
「晋浬…」
「ただ、しんどいなら…一人で抱え込むなよ」
晋浬は本当に心から心配してくれている。
…自分のほうが、よっぽど辛いはずなのに。

「大丈夫だよ、晋浬。ただ昨日よく寝れてなかっただけだから」
「…そうか。分かったよ」
晋浬は優しく微笑み、これ以上問わなかった。

一段落着いたところで、扉が開き、教師が入ってきた。
「号令かけて下さい」
委員長が号令をかけ、朝の諸連絡が始まる。
「今日はまず初めに、転校生を紹介します」
「転校生?」
いきなりのニュースに生徒がざわつく。
「転校生が来るなんて聞いてないぞ」
「あぁ…」
那砂が晋浬にぼそりと話す。
「さぁ、入って」
その合図に、再び扉が開き、その転校生が入ってくる。
皆が一斉にそちらに注目する。
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