Scarlet of Alice

□06. 禁術
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「・・・・えっと・・・」

シェルに連れられて泉は城の北部にある、アリスの部屋へと来ていた。
何やら扉からもう他とは違う豪華な造りに、泉はやっと落ち着いた気持ちがまたざわつき始めた。
シェルが重厚な造りの鍵を開けると、中はそれほど飾りつけられておらず、落ち着いた雰囲気であったので、泉はとりあえず安心する。

しかし、部屋の真ん中にある大きなベッドの上にいるモノを見てシェルと泉は固まってしまった。

「・・・シェル・・・」
「・・・はい」
「・・・これは・・・“何”?」

二人の目の前には、何やら真っ黒の毛の塊がいた。
ベッドの上ですーすーと寝息を立てているため、生き物ということは分かる。

「・・・はぁ」
シェルは深いため息をついた。
そして、その黒い塊をツンとつついた。
「・・・どうしてここにいるのです?“ロネ”?」
つつかれたソレは、ビクッと身をこわばらせる。
「・・・?」
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