Scarlet of Alice

□07. 禁断の立会い儀
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―――謁見の間。
呼び出されたトリックが合流する。

「何用でしょうか」
先に来ていたシェルとシュウに目配せする。
二人は女王のほうを視線で促す。

「トリック、これは貴方にも聞いてほしいことだったので呼びました」
「・・・はい」
「大変なことが分かったのです。今回、“紅兎”の干渉があったのは知っていますね?」
「はい」
「“紅兎”の干渉により、例外的にこちらへやってきたアリス。白兎の術以外でこちらへくることは大変危険だということは分かっているでしょ?」
「えぇ・・・」
「この異例な干渉によって、現界とこの異界との間に歪みができてしまい、今現在の状態なら、現界からこちらへ来ることが可能な状態になっていることが分かったのです」
「マズいじゃないですか!」
「えぇ。一刻も早くその歪みを修復しなければ最悪な事態が起こります。なので、貴方たちにはその歪みのある場所へ行って修復してきてください」
「分かりました。その歪みはどこに?」

この問いに、女王はしばし沈黙した後に話し出した。

「・・・東の陣です」
「え・・・?」
思わぬ回答に信じられない様子を見せる。
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