Scarlet of Alice

□10.思惑
1ページ/24ページ




城がスカーレットたちからの襲撃に遭ってから3日後、城には平穏が訪れていた。

というのも、誰もがスカーレットたちの襲撃を“覚えていない”からだ。
ハインがこの異界を去るときに、彼らに接触した人物の記憶を消したからだ。
客室で倒れていた泉、シェル、シュウは原因不明の昏睡状態に陥っていることになっている。
ハインたちがこちらへ来る際に使った東の陣は、その建物自体が崩壊し、侵入は不可能となっている。

泉の流した血も、シュウたちの戦いの痕も、すべてが無かったことになっていた。

「・・・・・」
大部屋にてトリックが3人の様子を診ていた。
3日間目覚めない3人・・・。
特に泉の昏睡は深い。

彼等にいったい何があったのか・・・。
自身にもある記憶の“違和感”に引っかかりながらも、とにかく今は彼らの回復を待つしかない。


ガチャ・・・。

「・・・女王様」
扉が開き、女王が部屋へ入ってきた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ