Scarlet of Alice
□11.明けない闇
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現界、エリエレリー中央区。
レディエント大聖堂・・・。
ここに、約200人の騎士族が集った。
“紅兎”の侵攻が始まる予兆が現れた今、世界は存亡の危機に晒されている。
それほどまでに“紅兎”の存在は危険なのだ。
「未来」
大聖堂内にある一室にいた未来のもとに、兄である弥生がやってきた。
彼はもう、騎士の装束である軍服に身を包んでいた。
「あ・・・兄貴。もう準備できたんだ」
「おぉ。というか、お前が遅いんだよ。全然着替えてないじゃん」
「んー・・・。何か、着たくないんだよな・・・」
「いよいよって感じするもんな」
弥生はベッドに座り、そこから見える窓の外を眺める。
空はまだ夜・・・。
中央には巨大な紅い月が不気味に輝いている。
「・・・もう、朝の9時なのに・・・夜が明けない・・・」