Scarlet of Alice

□12.真実へ
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王たちが國へ帰還してから3日後。
ようやく未来の面会が許された。
今まで心配でならなかった泉と弥生は、一緒に未来の居る部屋へ向かった。

到着し、弥生がゆっくりと扉を開ける。
「…未来」

その声にベッドで眠っていた未来がゆっくりと瞳を開けた。
「……兄貴…、泉…」
抑揚の乏しい声。
まだ体力は戻っていない様子だった。
ベッドの横にある椅子に座り、未来に向かい合う。

「どうだ、気分は?」
「あぁ…。悪くない」
「未来、久しぶりだね」
泉が未来に見える位置に顔を出すと、未来は久々の笑顔を見せる。
「泉…、元気してたか?」
「うん。僕はすごく元気だよ。…大変だったね、もう大丈夫だから」
「ん……っ」
未来は身を起こそうとしたが、体に力が入らず起きられない。
「起きるなっ。まだ動いちゃだめだろ」
弥生が押さえて制止させる。
「あとは体力回復させて、元気になるだけだね」
「そうだな…。で、何かあったのか…?」
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