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□そのままさよなら
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「俺さ、お前と一緒に逃げたい出したいわ」

チャニョルって時々おかしい。
今だってこうやって心底真面目な顔をして、また俺に冗談を言ってくるんだから。

俺はステージ上のソシの先輩が見たいんだけど。

「またかよ、チャニョル…」

今は先輩のステージ中じゃん、私語は慎めって。

「俺さ、お前が食らいつくように先輩のステージ見るのイライラするんだよね、だからここから一緒に飛び出したいわけ、わかる?」
「わかんねぇよ」

だから、イスくっつけて来んなって。

「わかれよ、俺はベクの視線がそっちにいってるのがいやなの」
「いつになくなんだよ、お前らしくねぇな」

チャニョルが思いっきり体制を崩して自分と目を合わせようとしたので、思わず目を逸らした。顔近いって。

「俺さ、独占欲強いんだよね」
「知ってる「お前が俺を欲しくなくても、俺はお前が欲しいんだ」

妙に切なそうに笑いながらそう言ったチャニョルは、多分ファンの子も見たことがないくらい、優しいキリストのようだった。

言ってることは、強欲そのものなのに。

「生まれ変わっても、お前に会いに行くよ、ベク」

俺の額にそっとキスをしたチャニョルは、それ以来、宿舎に帰ってくるのが遅くなった。




きっと生まれ変わったら、ベク、お前は俺の愛を受け入れてくれるよな。

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