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□夢現
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タオは何時だって赤ちゃんみたいだ。俺も赤ちゃんって言われてるみたいだけど、少なくともタオよりはマンネ感がでていないと自負している。セフンもいるし。まぁ、セフンは最近マンネっていう感じしないんだけど。
顔だけはマンネじゃないパンダがこっちによって言ってきた。
「ジョンイナ、俺、子どもっぽい?」
深夜にホテルでヒョンたちがいないからって、お菓子バリバリ食ってる時点で子どもでしょ。まあ、俺も一緒に食ってるけど。
「うん、めっちゃ子どもっぽい」
ポテチに手を伸ばしながら言った。
「でも俺、ジョンイナよりマンネっぽくない気がするんだけど…」
「いや、タオは絶対俺より赤ちゃんだよ!」
「そんなことないもん、ジョンイナの方が赤ちゃんだもん!」
ポテチでほっぺ膨らんでるけどな。
「
絶対タオだよ!」
『−そういうところが子どもっぽいんだよ、二人とも。あと先考えずに何でも食べる所とかね−』
以前、俺たち二人は言われた。
俺たちが理性無き獣みたいだと形容したルハニヒョン。
おそらくあの人だけは、俺たちの関係を知っていたのであろうか。
心より身体を先に求めた獣の赤ちゃんを、心配しての言葉だろうか。
今となっては分からなくなってしまったが。
「ねえ、俺たち何時までこれ、続けんの」
裸同士の俺たちには、あまりにも理性的な発言であった。俺たちは、ホテルの一室の薄暗いライトの元に存在していた。
「さあ、飽きるまででいいんじゃない」
「俺は何時か、ジョンイナに飽きられるの」
手を伸ばすと、ポテチの袋は空っぽになっていた。
「無くなったら、それで、おしまい、なの」
タオはもの抜け殻の袋を見て、呟い
た。
衝動に任せてきた獣は、理性に気づいたのである。
赤ちゃんは成長を遂げる。当たり前の摂理だ。俺はどうやら、成長に置いていかれたらしい。
タオの悟ったような横顔だけが、そこにあった。
「いつの日も、きっと、ジョンイナが好きだよ、俺」
それは、理性的告白か、衝動的告白
か。