短編集

□恋の形
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「……なんなん、さっきから」
「まあまあ和葉ちゃん」
「なんで平次と知らない女が喋ってんねん」
「あの人は……」
「───僕の恋人ですよ。あなたの恋人に手を出したりしませんから、安心してください」
「安室さん!」


時は昼時たまたま会った蘭ちゃんと久しぶりにポアロに誘われ友達も来るからと言われて1人だけ年上なのもなぁと断ろうとすると何故か近くにいたらしい安室さんに同意され3人でポアロに向かった。
そこには平次くんと和葉さんという蘭ちゃんのお友達が。
実は平次くんとは話したことがある。
まあそれは割愛して。


平次くんは私を見るなりなんやお前かと言って私と話し込んでしまっていた。
彼の彼女らしい和葉さんがすっごく睨んでくるんだけどなあと苦笑すると次は平次くんの番だった。


「なんやあの男…。オレの和葉になに近付いてんねや」
「……平次くん多分それ和葉さんも思ってるよ」
「誰に?お前にか?なわけないやろ」
「………君、本当に鈍感だねぇ。嫉妬はするくせに」
「はあ?」
「……まあ、羨ましいかな、嫉妬とか独占欲とか大人になるとなくなっちゃってねー…、あ、安室さんは私の恋人だから和葉さんに害はないよ」

「彼氏?いつの間に出来たんや」
「君と出会う前ぐらい」
「……」


特段嫉妬してほしいだの、束縛してほしいだの思わない私は重くないとは思うけれど少しサバサバしてる所があるかもしれない。
どうでもいいと思っているわけでも、どんな事が起こっても好きと思われているとかでもないのだが、なんとなく、そんな言葉を告げたことは無い。


「自分嫉妬されたいんか」
「うーん…、まず彼は嫉妬なんかしないんじゃない…?信じてないわけじゃないんだけど」


偉い人に言われてどこかに潜入して情報のために女性に甘い言葉を囁くかもしれない。
それ自体を嫌だと言うつもりはないし、むしろ国のためならと背中を押しているぐらいだ。


「ならええ考えがあるで、乗るか優稀」
「………怖いからやだ」
「まず聞けやアホ。あんな……」
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